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東京地方裁判所 昭和54年(ワ)1252号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

原告が被告木川の訴外住友生命に対する本件主債務の連帯保証人として、右訴外住友生命に対し金一〇二〇万一一八円を弁済したことは先に認定したとおりであり、その後、原告が主債務者である被告木川から金八九七万六五八円の弁済を受けたことは前記のとおり当事者間に争いがない。従つて、原告が求償を受けていない金額は一二二万九四六〇円であることが計算上明らかである。

本件弁論の全趣旨によれば、本件主債務の連帯保証人は原告と被告千成商事の二名であることが認められる。そして、連帯保証人間の負担割合は、当事者間の特約或いはそれがなくても連帯保証をすることによつて受けた利益の割合が異なるときは、負担部分もまたその割合に従うべきだが、このような特段の事情がないときは、平等の割合とするものと解するのを相当とするところ、右特段の事情の主張、立証のない本件の場合には、原告と被告千成商事の負担割合は二分の一ずつと解すべきである。

また、共同保証人間の求償関係に関する民法四六五条一項は、数人の連帯保証人の間の求償関係にも適用されるものと解すべきであるから自己の出捐によつて共同の免責を得た連帯保証人の一人が他の者に対し求償権を取得するには同項に定める自己の「負担部分ヲ超ユル額」を弁済することが必要である。本件では、前認定のとおり主たる債務は金一〇二〇万一一八円であるから、連帯保証人である原告及び被告千成商事の負担部分はそれぞれ右金額の二分の一である五一〇万五九円であるものというべきである。原告は、右主たる債務金一〇二〇万一一八円全額を代位弁済したのであるから、原告は、右金額から原告の負担部分である右金五一〇万五九円を差し引いた金額につき被告千成商事に対し求償権を取得したことが明らかである。

ところで、前記のとおり原告は右代位弁済後の昭和五三年一二月二七日、主債務者の被告木川から金八九七万六五八円の求償金の支払を受けているので、これが原告の被告千成商事に対する求償関係にいかなる影響を及ぼすか検討を要する。前記のように、連帯保証人が代位弁済後、主たる債務者から代位者に対して代位弁済金額の一部が支払われた場合には、弁済者はすでに債権者に代位しているので、あたかも主たる債務者から債権者に弁済されたのと同様に右一部弁済により主たる債務者の債務金額もそれだけ減少し、それに伴つて、共同保証人の負担部分もまた減少するものと解するのを相当とする。このように解しないと、主たる債務者の無資力により弁済を受けられない場合の危険を代位弁済をした連帯保証人以外の連帯保証人だけに負担させることになつて、連帯保証人間の公平が損なわれるからである、右のように解すると、本件の場合、一部弁済後の原告と被告千成商事の負担部分はそれぞれ六一万四七三〇円(5,100,059円−(8,970,658円×1/2)=614,730円)であるものというべきであるから、原告の被告千成商事に対する求償金額も如上の理由により金六一万四七三〇円であることが明らかである。従つて、被告千成商事の右抗弁は理由があるものというべきである。

(永吉盛雄)

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